『建築のしくみ』第5章 場所と空間のしくみ part3
1.建具の種類
気密性、遮音性のある開き戸と、空間に変化をつける引き戸がある。
開き戸
水や空気、音も漏れにくく、気密性、遮音性がある建具。
引き戸
日本の伝統的な建具。建具の開閉に場所を取らないのが一番の利点。また、建具よって空間を大きく変えることができる。
框戸
四方に框をまわして作る建具。重量感のある玄関戸などは、枠とともに広葉樹の重いしっかりとした素材でつくる。金属のレバーハンドルや鍵を取りつけ防犯性も備える。
フラッシュ戸
骨組みを組んだ下地に表面材を貼って仕上げる建具。軽量で狂いがないのが特徴。室内の建具、家具などに使われる。
障子
杉、スプルスなどの木を組み、和紙を貼る。組子の割り付けは部屋の雰囲気を変える大切な要素。
襖
下地の骨組みに和紙を貼って仕上げる軽い建具。
2.窓の種類
天窓、トップライト
屋根から光を取り入れることで、時を刻む光と影の動きや雨の音を感じることができる。
気密性、防犯性に優れた通風窓。オペレーターをつけることで高い位置にも取り付けられる。
引き違い戸、掃き出し窓
床まである開口で部屋と屋外をゆるやかにつなぐ木製サッシ。
ルーバー窓
ガラスを組み合わせた換気窓は目隠しになるので、トイレや浴室などの水回りに取り付ける。
縦滑り出し窓
開口幅が小さいので防犯性の高い通風窓。窓の外側の掃除がしやすいのが利点。
片開き窓
片側を固定した開き戸。内開きと外開きがある。
横滑り出し窓
左右の枠に沿って直角近くまで窓が開くので開放性の大きな窓。
外倒し窓
建具の下枠を軸に外側に開く窓は外に向かって空気が流れやすいので、排煙窓として取り付けるが、雨が室内に入りやすい窓。
内倒し窓
建具の下枠を軸に開く窓。
3.柱はどのように場をつくるか
囲む柱
四隅に柱を立てると象徴的な場をつくる。祭壇など神聖な場。
列柱
回廊や沖縄の民家の雨端は半外部の活動の場になる。
柱の森
森の様に並んだ柱を拠り所にして場が作られる。
4.壁はどのように場をつくるか
内と外を分け、表と裏、明るい場所と暗い場所をつくる。視線を遮る壁、外からの侵入を防ぐ、外敵や動物から守る、砂の侵入を防ぐ、光を遮り影をつくる壁、風を防ぐ壁、壁を立てる事で外の世界とは別に新しい場所をつくる。
明日からは第6章「仕上げと材料のしくみ」です!